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「仕上がりの早さ」を期する−進学塾Uine30年度高校入試総括
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    3月1日の都立入試の発表をもって進学塾Uineの高校入試は終了した。今年も全員が第1志望に合格とはいかず、自身に対するふがいない気持ちを引きずっている。入試結果に対する内罰的な意識と言動は指導者自身のためとの指摘もあるが、私は心から生徒と保護者の方に申し訳なく思うし、もし謝罪や涙が自分のためならもっと気持ちは楽になるだろう。恐らく私は性分的に塾講師には向いていないのだろうと、これまた自虐的に思ったりもする。

     

     

    今年の結果(合格も不合格も)を受けて思うのは学力の「仕上がり」についてだ。生徒達の学力がいつまでに、どのラインまで上がるのか。具体的には、志望校の合格ラインに対して、どれだけ早く余裕をもった仕上がりに達するのか。生身のそれも思春期の不安定な中学生相手に思い描いたような実力向上が図れないのは当然なのだが、年間のカリキュラムとビジョンとして、学力の仕上げの時期を意識するのは重要だ。そしてそれはできるだけ早い方がいいと、今強く思っている。

     

     

    進学塾Uineの生徒層は私から見れば「普通」の子たちばかりだ。具体的に言えば、塾に通っていなければ定期テスト5教科330点〜400点強くらいの層。地元の学力最上位層は川を渡って(笑)御茶ノ水あたりの塾に通ったり、地元に最近増えてきた大手に通うので、ウチのように口うるさい塾長のいる裏通りにある狭小個人塾(笑)には、良い意味で真面目が一番の取り柄である生徒が通ってくれる。ただ、真面目というのは裏を返せば「努力中心で頭の回転やよさは今一歩」ということでもある。真面目な生徒達の中にはしかるべき思考の奥行きや精神的成熟が後手に回る者も多い。

     

     

    また進学塾Uineは中1から定員一杯ということはほとんどなく、中2,中3から入塾してくる生徒も少なからずいる。地元の真面目層は勉強以外の部活にも熱心なので、「中1(場合によっては中2)までは部活を頑張りたい」として塾通いをしない(「中2(中3)までは他塾に通って、本格的な受験はUineで」という方も結構いる)生徒も多い。もちろん在籍生も部活には熱心だ。

     

     

    あれこれ挙げたら切りがないのだが、様々な状況、事情から進学塾Uineの指導はどうしても中3期に偏りやすい。生徒達の成長を俟ち、勉強に多くの時間が割けるようになり、やっとエンジンがかかっていくイメージだが、そうすると当然学力の仕上がりは後ろにずれていく。英数は8月には中3範囲を終わらせるように予定を組んだり(自校作成校を目指す上でこれは必須)中1・中2範囲の復習も中期的な学習計画を立てて演習管理をしたりしているが、正直なところ学力が仕上がってくるのは年明け〜2月という直前期になってくる。

     

     

    「入試は最後のひと伸びが勝負!」「ギリギリでもきっちり仕上げて試験に送り出す」的な言説は塾業界には多くあるが、これは高校入試では危険な発想だというのがいまの私の問題意識だ。中学生は精神的にまだまだ未熟さを抱えているということ、またこと都立高校入試は実質的に1回しかチャンスがなく、不安や緊張度がそもそも高いというのがその理由だが、とりわけ今年の入試をふり返ると強く思わずにはいられない。

     

     

    私の預かっている生徒がことさらそうなのかもしれないが、地域性として下町っ子は素直で気がよい反面、ナイーブなもろさがある。進学塾Uineの生徒は無理な受験(実力とかけ離れた高校を受けるケース)はしないので、それでもなお不合格になってしまうというのは「実力が出せなかった」というケースがほとんどだ。「出せない力は実力ではない」というのも1つの見方だが、「極度の緊張」「本番に対する不安」は未熟な中学生の気持ちと身体を萎縮させ、冷静な思考を阻害する。都立が不合格になってしまう進学塾Uineの生徒は1時間目の国語で力を出せないケースがほとんどなのだが、やはり緊張によるところが大きい(国語の科目特性もあろうが)と感じている。

     

     

    不安や緊張はゼロにはできない。でもそれをできる限り低減させるにはどうすればよいか。前のエントリーでも触れたように、指導者の適切な一言が生徒達の気持ちを救うことがあるだろう。ただ一番効果があるのは、当然ながら学力(偏差値、過去問得点)の裏付けだ。直前で不安を訴える生徒ほど、仕上がりが遅く偏差値も過去問得点もギリギリの勝負になっている。最後の最後までギリギリ感が強ければ、「出せば合格」の力も萎縮して出せなくなってしまうことは想像に難くない。

     

     

    それなら早めに仕上げるために中3範囲を早く終わらせ、復習に多くの時間を割けばいいのだが、ことはそんなにうまく進まない。できるならとっくにやっている(笑)。何といっても生身の生徒が相手なのだ。思ったように授業が進まないこともあるし、復習がこちらの企図したような効果を生まないこともある。中学生の学習指導は「三歩進んで二歩下がる」どころか「三歩進んで四歩下がり、その後二歩進んで立ち止まる」みたいなことも多いのだ。私は週間、月間の授業計画は念入りにたてるが、1週間ごとに壊して再設定することもしばしばある。「早く仕上げる」は言うは易く行うは難しであることは間違いない。

     

     

    今年の入試、私も生徒達も精一杯やっての結果であることは改めて強調しておきたい。生徒達はみな素直で私を慕ってついてきてくれた。そしてこれ以上ない努力をした。私もそれに応えるべく、過去最高の指導を胸に誓って(これは毎年そう)指導にあたった。それでもなおぎりぎりの仕上がりだったことを、生徒の問題としてではなく自身のそれとして捉えなければならないと思う。

     

     

    精神論ではなく、またメンタルのケアという学習指導の埒外の問題として捉えるのでもなく、カリキュラムや教授法の問題として仕上がりの早さ、不安や緊張の払拭を考えていく―新年度の目標をこう据えることで、30年度の入試総括にしたい。

     

     

     

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