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ペースをかき乱す
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    今年度は新小学4年生が例年より多く入塾してくれたのだが、年度初めのこの時期、小学生、とりわけ4年生の生徒達の指導で意識しているのは彼らのもっている勉強ペースを乱すことだ。

     

     

    私も小学生の子どもがいるので学校公開(授業参観)に足を運ぶことがある。そんな時はできるだけわが子のクラスだけでなく他のクラスや他の学年まで見せていただくようにしているのだが、いつも感じるのが「学校の勉強だと、自分のペースを変えないで済むことが多いよな」というものだ。

     

     

    1クラス30人前後いるわけだから作業が早い生徒、遅い生徒が当然いる。遅い生徒(学校公開で見ていると気になって仕方がない。補助に行きたいくらいだ)はあれこれできないことが多いものだが、それはそれとして授業は進んでいくことが多い。遅い生徒は放置されていると言ったら言い過ぎだが、遅いということに対してなかなかその場では手立てが講じられないことが多いように思う。これは塾が優で学校が劣だというのではなく、あくまで指導特性(指導人数から方法まで広く含む)の違いとして学校では生徒達のもっているペースが尊重される(かき乱されない)ものだと感じている。

     

     

    塾は学校の指導にはないものを求められている(はず)なので、塾人としての私が考えるのはまず、その学校では乱されない個々のペースを崩し、時に乱しながら、学力向上につなげることだ。そして、4年生くらいだとその「乱し」は「急がせる」ことから始めることが多い。生徒達のもっているペースを(大げさにいえば)否定し、そこから新たなふるまい方を身につけさせる。そんな目的をもった「急かし」をこの時期は意識的に多くしている。

     

     

    数日前、こんなツイートをした。もちろんここで取りあげている年度初めの小学生指導を念頭に置いてのものだ。

     

     

    当然だが「急げ急げ」は塩梅が難しい。きっちりとした学習手順を踏みつつ、これまでやったことのない「急ぎ」を演出するというのは言うほど簡単ではない。このとき必要なのは、月並みだが、生徒を観察する透徹した眼だ。生徒を見る、見極める姿勢と眼力がないと「乱し」をコントロールするのは難しい。偉そうに言っているが私も毎日教室で悩み、時に立ちつくしながら生徒達を見つめている。

     

     

    今年の新小学4年生たち、みな素直で、そして適度にマイペースだ。緩急織り交ぜながら、日々乱しを意識しながらやっているが、みなほどよく乱れつつ進歩前進している。

     

     

     

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