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「受験道」
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    ついに都立一般入試が明日に迫った。進学塾Uineにおいては埼玉県私立入試から約一ヶ月続いた入試日程もこれをもってすべて終了することとなる。

     

     

    都立第1志望であっても私立第1志望であっても、私がこの1年呼びかけてきたのは「何かを残せる入試にしよう」ということだった。一生に一度の高校入試にどんな痕跡を残せるのかが高校入試の価値だと、常に呼びかけてきた。

     

     

    我々の仕事は合格させることが第一義なので、受験の痕跡だとか軌跡だとかは、実は大声で言うべきことではない。受験のプロフェッショナルとして、お預かりした生徒達を合格に導くこと。この1点に我々の存在意義は大きく拠っている。

     

     

    生徒達にとっても、受験は合格することが第一目標であることに違いはない。合格と不合格ではそれからの人生が少なからず異なることになるわけで、目標とする学校に合格できるかできないかは、それこそ天と地ほどの差が出ることさえある。いくら過程が素晴らしくても、結果が伴わなければ意味はない。

     

     

    しかし、受験を合不合だけに焦点化してしまえば、指導も勉強も道を外したものとなる。

     

     

    合格ばかりを追い求めれば、我々塾側は「育てる」ことを軽視しがちになる。畢竟「昔から通っているできない生徒」より「中途から通ってきたできる生徒」に視線と熱量を傾けるようになり、指導や塾運営がゆがんでいく。また不合格にならないことを優先する受験指導をしたり、上位の生徒には合格実績のために不要な受験を勧めることさえするようにもなる。

     

     

    生徒達にとっては「行きたい学校」より「行ける学校」選びが優先され、甘い態度でも合格できるぬるい受験勉強に陥ることもある。「早く決まるから」と私立第1志望推薦を利用したり、直前までフラフラしていても合格できるような超安全志向での入試を選択する者もでる。

     

     

    そして何より、「合格」の二文字は塾の、生徒の、こうした「不誠実な」取り組みをすべて消し去っていく。塾にとって「多くの(○○校)合格者を出した・都立第1志望は全員合格した」という「事実」は指導の内実を厚いベールで包み込み、また生徒達にとっては手に入れた「合格」の二文字が、それまでの取り組みの甘さやぬるさを消し去っていく。塾にとっても生徒達にとっても、「合格」は輝かしい未来をもたらすだけでなく、あらゆることがらをリセットする強大な力をも併せもつ。

     

     

    先に「道」と書いた。受験に「道」、受験道などないとも言えるが、私は目指すべき道が確かにあると思っている。志望校に対する熱い思いと、それを実現させるための努力と、合格の二文字。これらが揃って初めて「受験道」が達成できるのだと、いまあらためて思う。私は自分の生徒達にこうした受験道を歩むことを求めてきたし、その意味で過程の充実を常に意識してきた。それは合格の二文字ですべてを消し去るようなプロセスではなく、1日1日、いや、この瞬間この瞬間に気持ちを賭ける取り組みを求めることで築いてきたものだ。

     

     

    もちろん合格を得られなければ受験道は完遂したことにならない。不合格は決して取り消せない。やり直せない。道半ばでの受験道の終了だ。生徒も私も心のどこかに大きな穴が開き、その穴が少しずつふさがっても、その穴の痕跡は時に疼き、苦い記憶を呼び起こすこととなる。その責は塾だけが負いたいが、それも叶わない。合格はすべてのマイナスを消し去るが、不合格はすべてにマイナスを刻印する。

     

     

    ただ、道を求めた生徒達には努力してきた軌跡が残る。最後まで受験と真摯に向き合ったという態度は、彼らの中に無形の財産として引き継がれる。私たちは、合格の二文字ですべてを精算するような取り組みは決してしてこなかった。合格は努力の軌跡の先にしかないと、繰り返し確認しながらここまで歩んできた。その思いを胸に、生徒達は不確実な受験に対し気持ちを振り絞ってきた。

     

     

    今年の中3生、それこそ色々な生徒がいた学年だった。率先して努力に自分を没頭させられる生徒もいれば、部活優先で勉強がままならない生徒もいた。取り組みの甘さやいい加減さに対し、これだけ叱ったこと学年もないだろう。それでも、塾を信じてここまでやってきた。私はその1点において、進学塾Uineの受験道の充実をみたいと思う。

     

     

    すべての生徒が万全の体制で受験に臨むわけではない。それぞれがやり残しや未熟に対する後悔を抱え、本番に臨む。しかし繰り返すが、努力の軌跡は、それぞれの形で確かにそこにある。

     

     

     

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