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平成28年度 都立入試総括
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    都立入試の結果が出揃った。今年度は予想していたうちの最も悪い結果となってしまったことを記さねばならない。7名が都立受験をし、うち3名を合格させてあげられなかった。何よりも私についてきてくれた生徒と信頼して預けてくださった保護者の方に対して申し訳ない気持ちでいっぱいである。ここで結果(不合格)を総括することは多分に言い訳じみた回顧であり、また己を癒す昇華的作業でもあろうが、前に一歩踏み出すためには避けて通れないものでもある。なかなかつらい作業だがしっかりとふり返っておきたい(特定の人物を指す表現を避けるため分かりづらい表現があることをご理解ください)。


    不合格の3名はグループ作成校、共通問題トップ校を受験した。それぞれ実力的には合否ラインのちょうど真上に位置し(模擬試験での合格ラインに対して、+20から−10の間で推移していた)、本番のでき次第では合格不合格どちらもあり得るという成績だった。私は生徒が受けたい学校を受験させる指導方針(塾の強い力で志望校を変えさせることはしない、という意味)なので、最終面談で合否の可能性について説明をし、あとはご家庭に任せた。みな初志を貫徹する道を選んだわけで、私の仕事はそれを何としても叶えてあげることにあるのだが、力不足だったと言わねばならない。


    不合格の具体的要因について考えてみると「理社の仕上がりの悪さ」にあった。過去問演習でも新課程以降の理社のできの悪さは目立っており、直前は「英数国の調子を落とさない(私立併願校の対策も十分考慮しなければならない)で、理社の追い込みを図る」というギリギリの仕上げを狙った。3科の調子落ちはなく、むしろ直前のひと伸びもあったが、理社は最後まで上がってこなかった。今年は塾での自己採点は行わなかったので詳細は得点開示を待たなければならないが、各自の自己採点ではやはり理社が足を引っ張ったという印象だ。


    理社のどこが、何が仕上がらなかったのか。知識の歩留まりという点では概ね仕上がっていたと言えるが、論理的思考とそれにもとづく類推力が、最後まで備わらなかったと感じている。都立の理社は単純知識で解ける問題は少なく、知識と基礎演習で身につけた考え方を用いて思考を組み立てていくものが多い。例えば理科なら平成23年の地震の問題や(出題ミスになってしまったが)27年の天体の問題など、社会だと毎年出る地理の資料問題がそれにあたるだろう。どれも既存のテキストで学べる問題というより、そこで身につけた力で類推していく力を問うていると言える。こうした問題の取りこぼしが最後まで改善できなかった。


    こうした力の不足は数学の思わぬ失敗にも現れることがあった。これはまた稿を改めたいと思うが、数学に必要な「出口思考」とそれを可能にする論理的な考え方は、都立の理社に必要なものと共通する。この点が弱かった生徒は、数学(模試と過去問演習)で時に驚くほどの崩れ方をした。


    進学塾Uineでは過去問は基本的に「演習→マルつけ(添削)→質問→繰り返し」というスタイルで進めていくのだが、こうした理社の問題特性と今年の生徒達の学力特性を鑑み、理社に限って直近10年分をすべて解説した。ただ、その後の繰り返しでも上記のような力が必要な問題は落としたりしていた。


    なぜそうした力が備わらなかったのか。あくまで私が育てられなかったという視点で考えてみると、それは「学習時間主義」「演習主義」とでもいうべき指導の陥穽かもしれない。


    うちの生徒は本当に「普通の学力」の生徒達ばかりだ。そうした生徒を、グループ作成校、共通問題トップ校を目指すまで育てるには、とにかく勉強時間を増やすことが必要だと思っている(この思いは今も変わらない)。今回不合格になってしまった生徒達も、取り立てて目立つ学力があったわけではない(都標準や大学受験まで見越して考えた時の判断)が、徹底的な勉強量で学年上位、定期テスト450点オーバーまでもってきた。


    ただ、こうした学習時間を積み重ねるスタイルだけでは、生徒達1人1人のもつ学習特性に依拠しているがゆえ、論理的な考え方やそれを駆使した頭の使い方を十分に育てられない場合がある。生徒自身の枠から外に大きく踏み出すような頭の使い方は、やはり外からの刺激が重要だ。もちろんそのことは自覚しているつもりなので、演習ばかりにならないよう授業を組み立て、教授法に工夫もしてきた。ただ結果を見れば、その点がまだ不十分だったのかもしれない。勉強量の積み上げだけでは足りない部分を、補ってあげることができなかった。


    3人は年が明けてからは毎日来塾し、授業終了後も12時頃まで粘って勉強することもあった。とにかく頑張っていた。ただ2月に入って「調子落ち」と疲れが見えたので、毎日の来塾やむやみな長時間学習をクールダウンさせたりもした。最後の1週間でどの教科も調子が上がってきていたのでうまく行くかと思ったのだが、受験勉強過程での懸念が至るところに出た入試となってしまった。


    申し訳なく、悔しく、涙が出る。生徒と保護者の方が報告に来て下さった時も、ねぎらいとお詫びの言葉を絞り出すのが精一杯だった。それなのに保護者の方は絶句する私に「先生のおかげでここまでこれたんです。まだお預けしていない下の子もおりますから、末永くお願いしますね」なんて言って下さる。あまりの恥ずかしさに穴があったら入りたかった。


    簡単だがここでとりあえずの入試総括を終了する。悔恨を明日の指導に生かすことが生徒に対する誠実だと信じ、前に進みたいと思う。



     
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