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軽パニック症候群
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    定期テストが終了した。結果はまだ出揃わないが、まあ前回の体たらくからの挽回はなんとか果たせた結果となりそうだ。ただそれは塾におけるトータル評価においてであって、生徒自身の成果として見れば未だ道半ば、いやそれ以下という生徒がいる。塾の方向性が塾生に共有され私の方法で多くの生徒が伸びていればこそ、問題意識はそうした生徒を伸ばすことに向かう。


    道半ばというのは私の感覚では5教科300〜320点くらいの生徒だ。学校のほぼ平均点。ウチのような厳しい塾に通ってこれでは完全に失敗だ。もちろんわたしの指導が、である。


    できない生徒のできない要因。挙げたら切りがないが、根本的には「勉強時間不足」か「誤ったやり方」に帰結する。時間不足は塾で補い(強制自習など)、誤ったやり方は正しく効果的な方法をレクチャーすることで矯正するのが常道。ウチの塾では具体的に「試験2週間前から試験勉強演習に切り替え」「土日は勉強会(それぞれ約8時間)」「試験勉強法と進捗状況がチェックできるシートの記入・管理」をもって試験勉強に臨んでいるが、これで相当の生徒を伸ばしていくことができる。入塾時に平均点くらい(5科300点前後)であれば、2~3回のテストを経て5教科100点くらいは伸びていく。もちろん、平均80点前後の生徒であれば平均90点までもっていける。


    しかし、これでも伸びない生徒がいる。努力の埒外ともいえる要因はさておき、最近意識しているのは「軽パニック症候群」とでも言うべき勉強特性だ。「軽パニック」の生徒は、短期的にも中長期的にも、「勉強の管理」がからっきしできない。意識は「いま、ここ」に焦点化され、そこから外れる頭の使い方をしようとすると軽いパニックを起こすがごとくとっちらかる。


    「勉強の管理」といっても幅が広い。私は「順序立てて・優先順位をつけて作業を行う」「1つのことがらをこなすのに、自前の知識を動員する」といった「思考の整理整頓」をもって勉強管理をイメージしている。成績が良い生徒というのは例外なくこうした管理に長けているが、苦手な生徒はこれができない。ただ、時間をかけてトレーニングすればこうした管理ができるようになり、成績が向上するのが普通だ。それでもなかなか向上しないという生徒特性として、「すぐとっちらかる−軽パニック」という因子(性格?)が横たわっているのではないか、ということだ。


    例えばこういう生徒は、今、自分の目の前にある1問には対応できるが、テストの問題量になるとできがガクンと落ちる。また例えば数学なら、できない問題はとばしてできる問題からやっていくとか、英語長文なら分からない単語を類推したり、分かる部分で全体を推し量ったりとかするが、そういう取り組み方もなかなかできない。


    こういう生徒は頭の中で取捨選択したり参照したりするという整理整頓ができず、あまり頭を働かせることなく行き当たりばったりでやっているイメージがある。また鳥瞰的視点をもって部分と全体に目を配ることも当然苦手だ。常にバタバタ、アタフタと、今そこにある問題に取り組んでいる。試験勉強は1~2週間にわたる学習管理が必要となる取り組みだが、これもその場その場で完結したものとなってしまう。「いつまでに、何を、どのようにやる」という発想をとることがなかなか難しい。


    この軽パニックの特徴をもっている生徒というのは、具体的には「ノートマニア」だったり、間違ったやり方に気づかずそれを何度も繰り返したりする。書くことに喜びを見出しているような生徒や何かに取り憑かれたように書きまくって勉強する生徒(こういう生徒が書いている時は大抵無表情だ)にはこのタイプが多いように思う。


    なぜ私がこういう特性を「軽パニック」と言うかというと、こういう生徒というのは発問すると非常にアタフタするのだ。分からず慌てる。とっちらかる。おそらく彼らは、テストの場でもたくさんの問題を見、そこで色々な頭を使わなければならないことに、声を上げずにアタフタしているのだろうと思う。とっちらかりながらなんとか目の前の問題に対応しているのだろうと思う。


    こうした生徒を伸ばすにはどうしたらよいのだろう。今考えているのは2点。1つはもっともっと密着した指導をすること。補習などを増やし、徹底した発問と回答のやり取りで思考の整理整頓と発現を目指す。定期テストにおける学習の計画やチェックを1日単位で細かくやるなど、学習管理は塾がやり、まずは成績を上げることを目標とする。本人に考えさせても管理ができないなら、こちらがやってやればよい。その結果として成績が上がれば何かが変わるのではないか。そんな発想だ。


    もう1つは、教科学習とはちょっと離れた頭の体操的なもの(数独とか算数パズル的なものとか)を毎日やらせてみること。これは効果についての根拠はまったくないのだが、こういう条件を整理し、組み合わせてものを考えるというトレーニングは彼らが不得手とするところと絶妙にマッチするので、なにがしかの効果があるのではないかと希望的観測を抱いている。







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    Comment
    2014/12/01 9:22 PM posted by: Fumi
    こんばんは。
    突然のコメント申し訳ありません。

    先月の半ばまで業界最大手の個別指導塾にてアルバイト講師を務めておりました。
    自分で言うのもなんですが、生徒の指導に対する熱意は誰にも負けていないと自負しておりました。

    しかしその熱意を生徒自身に拒否され、また組織から否定され、
    もはや組織における自らの存在意義を見出すことができなくなり、
    何とも自分勝手ながら飛び出す形で退職していしまいました…

    果たして自分のやったことは本当に間違っていたのか、
    そんなことを考えながら全国各地にいるはずの熱血講師たちを探していたところ貴ブログを発見致しました。

    ブログ主様の熱意に勇気づけられました。
    今後もよろしくお願い致します!
    2014/12/02 6:24 PM posted by: gen
    Fumiさん初めまして。

    アルバイトということは学生さんでしょうか。確かに我々が是とする熱意は時に組織や“顧客”には拒否されることがあります。Fumiさんの取り組みもひょっとしたらその熱量が大きすぎたのかもしれませんね。

    しかし全国にはそうした熱量を受けとめてくれる度量の大きい塾長が確実にいます。Fumiさんがそうした“師”と邂逅できることをお祈りしています。
    2014/12/02 8:39 PM posted by: Fumi
    温かいお言葉をいただきまして本当にありがとうございます。

    お恥ずかしいのですが、私は今年で30歳です。
    前職退職後税理士を目指し始め、生活費の確保のためという不純な動機でこの業界に踏み込みました。

    しかし気が付いたら生徒の指導にすっかりのめり込んでしまっていました。
    その中でも、とある一人の生徒(中2)に対しては特に情熱を持ってしまいました。

    「一人一人の生徒のペースに合わせた…」を謳い文句にした、
    1対3を基本とする自習ベースの塾にも関わらず、
    その子に対してはマンツーマンかつ授業内容と宿題をこちらで徹底管理することで指導を開始しました。
    (指導形態は状況的に許されるもので、指導方針も本人から了承を得ました)

    結果として、1年生時は2学期以降の定期考査では毎回370点前後をさまよっていたのが、
    2年生になってから2学期中間までの3回でいずれも420点超えをはたしてくれました。

    もちろんその子の頑張りがあったからです。
    私が指導していたのは数学と英語だけでしたから。
    その他の教科については理科の計算以外は勉強方法のアドバイスと直前に問題集を渡していた程度です。

    しかし管理をしたことで成績が大幅に向上したことも事実。
    これにすっかり気を良くしてしまった私は
    「この子は卒業まで俺が引っ張っていく!」と勝手に張り切ってしまいました。

    その結果、その子がついに悲鳴を上げてしまい、退塾を申し出てきたといった次第です。
    私に気を遣って「部活が大変だから自分でやっていきたい」と言ってくれましたが、
    本音はこれ以上私のペースに付き合わせることに耐えられなかったようです。

    実は組織から指導内容を否定されることについては大して気にしておりませんでした。
    もともとそういった体質を持っていることは理解できていましたから。

    しかし生徒本人から拒否されたことは本当に辛かったですね。
    結果は伴っていただわけですし、遅刻欠席は一度もなく、
    こちらの指示をほぼ忠実に実行してくれていたのでなおさらです。
    私が担当を外れるからといっても通塾継続は拒否されました。
    もはや万策尽くしたといった感じでしたね。

    結局はその子が退塾する前に私が退職した流れとなりました。
    何とも情けない話ですが、もう二度と戻ってくることのないその子が最後去っていく姿を後ろから見る勇気が無かったんです…

    正直に申しますとgenさんが羨ましくってしかたがありません。
    きっと今日に至るまでには私の想像が及ばないほどの苦労をされてきたはずですし、
    現在でも常に四苦八苦しながら頑張っておられるはずです。

    それでも自らの信念を持って指導にあたり、
    それについてきてくれる生徒が何人もいることが本当に羨ましいです。

    長くなってしまって申し訳ありませんでした。

    やはりまだ誰かを指導したいです。
    あの子はもう無理でも、思うように結果が出ず悔しくてもがきながら、
    熱意ある講師に飢えている子を指導していきたいと思っております。

    今後もそっとブログを拝見させていただきます。
    本当にありがとうございました。
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